ジェギーご一行にくわわったわけだが、これがかなり大変だった。
メンバーはメキシコ系のジェギーとエスキモー系の奥さんと娘に犬3匹、あとで本土からきた友人2人が加わった。
まず相手の言葉が訛りすぎてて95%わからない。
友人たちの言葉は少しわかるのだが、英語力不足がそれを無意味にした。
最初はいいムードだった。
飲み物や料理をごちそうになったり仲良く過ごせた。
だが言葉が通じないフラストレーションからか、少しずつ雲行きが怪しくなる。
そのうちこちらの悪口っぽいものまで出てきて、
やっぱり一人が良かったと根っからのコミュ障が顔を覗かせた。
次の日、蚊に全身さされながら起床。
筋肉痛を癒すために元々もう一泊するつもりだったのだが、気が乗らない。
だが体の状態からいって、これから何時間も重い荷物を背負って歩くのは無理だった。
それでも一緒にテントをたてたり一緒に行動していくうちにこの場にも慣れ始め、
向こうが一生懸命話しかけてくれるおかげで英語にも少しずつ慣れてきた。
これからの情報をもらうが、心配になることばかりだった。
どうやら近頃法律が変わり、熊被害が増えたために徒歩や自転車でデナリ国立公園へいくことを禁じられたらしい。
本当かはわからない。ネットで見たことがあるとは言っていたが。
ヒッチハイクを勧められたが、それは最終手段として
とりあえず電車を使おうかなと思っている。
公共機関よりヒッチハイクが後回しというのも変な話だが、これは自由な旅なので、物差しが他とは違うのだ。
その後は自転車を買うかもしれないしわからない。
その日の昼、サブバッグである黄色いデイパックがなくなった。
熊予防のため食べ物を専用ボックスに入れていたのだが、
中の小物や地図や日用品、情報や非常用かつダミーの財布などを抜いていなかった。
疲れていたのと、キャンプに誘われて急がされていたせいで抜き忘れたのだ。
まさかこんなに早く盗難に遭うなんて。
そのうち何かは盗まれるとは思っていたが、その日がこんなに早く来るとは。
カバン自体は捨てるつもりだったのだが、中身がなくなったのはつらい。
ただ、そのおかげで誘ってくれたジェギー以外とは仲良くなれた。
そして旅に必要な道具や自転車をもらえ、車で街まで送ってくれるという。
正直困惑した。
メインのバックパックはすでに満杯に近い状態だし、
食事もごちそうになっているのになんだか悪い気がする。
しかし
遠慮はいらない友達なんだから
と言っていたので遠慮なく頂いてこうかと思った。
次の日、動物に警戒されにくい体質とマッサージという魔の手によって犬3匹ともある程度仲良くなった。
昼になり自体は激変。
男二人はお互いや女性陣と喧嘩をし、男性陣の雰囲気が悪くなった。
英語がわからないだろうと、いいように言われ続けてきた俺もとうとう見限って
結局けんか別れした。
女性3人は最後まで優しくしてくれ、まだここにいてと頼まれたが、いい加減に腹が立っていた。
自転車はとんでもなく欲しかったがやはり誰かに頼るのは良くないだろう。これは俺の旅だ。
この人たちに関わったのがいけなかった。
後ろからこちらを呼ぶ男の声がするが、振り向かずにその場をあとにした。
これからはあまり人と関わらないようにしようと思う。
あと一言言えることは、
俺は アラスカが 嫌いだ。
歩いて5時間後にアンカレッジの街についた。