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となりの国

特に自分に課した取り決めもなく、自由に世界を旅しています。よかったら

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山と雲とチャリダーズ

ホテルのおいしい無料コーヒーを飲み、Dease Lakeから出発する。




    ↑買いだめた食料



話通りの急斜面が続く。





 
   ↑丘をずっと走る


summit1241と書かれた看板が現れ、これであとは下りかと思いきや、少し降りたのち、ひたすらのぼり。ここまできついとは。



途中、


道の端に馬の足跡を見つける。なぜ馬のものかとわかったかというと、草が大量に混じった大きな糞が道しるべのように点々と落ちていたからだ。きっと誰かが馬に乗って同じ道をたどっていったのだろう。


あと20kmでキャンプ場というところでカナダ人のチャリダー二人と出会った。

二人が後ろから抜かしてきたのだ。スティーブとマーク(だったと思う)と名乗る彼らは「多分同じ所に泊まるから」と先へ行ってしまった。すぐに追い抜かす。



もうちょっとだというのに腹が減ってなかなか力が出ない。ふらふらになりながら必死で走っていると、後ろから「クッキー!!!」という女性の叫び声が聞こえた。振り向くと女性が車の窓からクッキーを掲げている。なんとかそれを受け取ると大きく手を振り別れの挨拶。ピーナッツバターサンドクッキーだった。どうして腹が減っていたのがわかったのだろう。そのクッキーは最高にうまかった。



あと5kmというところで雨が猛烈に降ってきた。一応雨宿りとして木の陰に入ったものの、ちょうどいい木がなく、ゆっくりとではあるが体と荷物と自転車を濡らしていく。


安くてうまいチョコクッキーを食べて元気を出し、少し収まったところで一気に駆け出す。しかし収まったのはつかの間、すぐに雨はそれまでのノリを取り戻した。というのもここは雲の中だったようで、そりゃあ避けようがない。前は霧で見えなくなっている。



後ろからカナダ人の二人が追い抜かしてきた。その先は下りだったので一気に駆け下りるとそこがキャンプ場だった。



「皆で同じ場所に泊まれば安くなるんじゃね?」


とスティーブが言うので、そんなことできるの?と日本語で言ってしまう。


ああ間違えた、しかしとっさにその英訳が浮かばず、「OK?」というなんだかよくわからない言葉を発してしまう。しかし彼には通じたようで「わかんないけど聞いてみよう」と提案したので同意してついていった。



一人で場所をとるのとはわけが違い、とてもスムーズに早く勘定が済んでしまった。23ドルを3で割って一人7ドル。こんなに安く泊まれるとは思っても見なかった。


スティーブはこちらに例の安くてうまいクッキーをくれたり話しかけてくれたりしたが、こちらは一言しか言葉を返せないためいつものごとく話は弾まない。でも二人は見限ったりせずやさしく接し続けてくれた。



夜中星を見た。


オーロラは出ていなかったがたくさんの星や天の川が見え、高い山と星は相性がいいなぁと思った。





次の日二人は先に出て行き、こちらはギリギリまでネットをチェックする。せっかく使えるのだから活用しなければもったいない。それにこの日は40kmしか進まないのだ。この道のりをゆっくり行こうと思う。



すぐに商店が顔を出す。ここから400kmはちゃんとした食べ物が手に入らない。多少の食料を買いホットドックをひとつ頼む。お金を払って自分で作るようだ。なんだかチープな味がするが、値段もチープなため割には合っている。レシートを見ると値段が少し変な気がする。聞いてみると商品に貼っていた値札シールのほうが間違っていたらしい。9.9¢、つまり9ドル90セント(になるのか、表記がおかしいせいで何とも言えない)とかかれたシールを俺は99¢と勘違いして買ってしまった、ということだ。買わなきゃよかった。アイスが$1.5と安いのに目を付けていたので性懲りもなくひとつ頼むと、店員のおばさんはものすごく不機嫌な顔で面倒くさそうにアイスを渡してくれた。


道をもう少し進むとレストランがあった。しかも2つも。こっちで食べれば良かったと後悔するが、まあ安くすんだということで大目に見よう。



昨日のが体にきているのか、アップヒルが思いのほか多かったせいか、次のキャンプ場までの距離はなかなか縮まらなかった。


クマの足跡らしきものが律儀に道の端っこに沿って続いていた。


やはりここらは熊が多いのだなと感心していると、その足跡はまた馬のものだった。なぜわかったかというと…省略 しかし明らかに馬の糞ではないものもあちこちに散らばっているので、きっと熊もいるのだろう。



キャンプ場についた。
テントを張って係員が来るのを待つ間に本を読みながら料理を作る。ガス缶の中身がもうない。この辺ではsnow peak製のガスは全然見ないので不安になる。ガスが使えないと食べれるものが本当に限られてしまうのだ。サッポロ一番のラーメン(これが日本のものと一番近い)にミニキャロットとウィンナーを千切り入れたもの、それからミートボール入りスパゲッティの缶詰にモッツァレラチーズをそえたものを作った。少し買いすぎたので、荷物を減らす為に2品にしてみた。麺麺しているが、これしかないのでしょうがない。片付けの際スパゲッティの油を落とすのに苦労した。


係員がきたので財布を出したら、テントだけだからいらないと言う。ここは飲むのにすごく良い水がありno boiledでいける(汲んだら木の色なのか若干黄色く土の臭いがしたが飲めそうな味ではあった)し、no bear(しかし蜂は多い)であるとのこと。


ここから次のキャンプ場は120kmあるんだけど大変だね、でも君ならできるわ、気をつけてね。


と励ましの言葉をくれた。一瞬連れて行ってくれるのかと期待したが、大丈夫、がっかりはしていない。その言葉は素直に嬉しかった。


隣の人の犬がこちらに入ってきてしまい、


ついでに私のたき火にあたらないかい?


と誘ってくれたが、適当に断った。この日はゆっくり本が読めた。あっという間に暗くなる。いい時間を過ごせた。

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道の端に馬の足跡を見つける。なぜ馬のものかとわかったかというと、草が大量に混じった大きな糞が道しるべのように点々と落ちていたからだ。きっと誰かが馬に乗って同じ道をたどっていったのだろう。


あと20kmでキャンプ場というところでカナダ人のチャリダー二人と出会った。

二人が後ろから抜かしてきたのだ。スティーブとマーク(だったと思う)と名乗る彼らは「多分同じ所に泊まるから」と先へ行ってしまった。すぐに追い抜かす。



もうちょっとだというのに腹が減ってなかなか力が出ない。ふらふらになりながら必死で走っていると、後ろから「クッキー!!!」という女性の叫び声が聞こえた。振り向くと女性が車の窓からクッキーを掲げている。なんとかそれを受け取ると大きく手を振り別れの挨拶。ピーナッツバターサンドクッキーだった。どうして腹が減っていたのがわかったのだろう。そのクッキーは最高にうまかった。



あと5kmというところで雨が猛烈に降ってきた。一応雨宿りとして木の陰に入ったものの、ちょうどいい木がなく、ゆっくりとではあるが体と荷物と自転車を濡らしていく。


安くてうまいチョコクッキーを食べて元気を出し、少し収まったところで一気に駆け出す。しかし収まったのはつかの間、すぐに雨はそれまでのノリを取り戻した。というのもここは雲の中だったようで、そりゃあ避けようがない。前は霧で見えなくなっている。



後ろからカナダ人の二人が追い抜かしてきた。その先は下りだったので一気に駆け下りるとそこがキャンプ場だった。



「皆で同じ場所に泊まれば安くなるんじゃね?」


とスティーブが言うので、そんなことできるの?と日本語で言ってしまう。


ああ間違えた、しかしとっさにその英訳が浮かばず、「OK?」というなんだかよくわからない言葉を発してしまう。しかし彼には通じたようで「わかんないけど聞いてみよう」と提案したので同意してついていった。



一人で場所をとるのとはわけが違い、とてもスムーズに早く勘定が済んでしまった。23ドルを3で割って一人7ドル。こんなに安く泊まれるとは思っても見なかった。


スティーブはこちらに例の安くてうまいクッキーをくれたり話しかけてくれたりしたが、こちらは一言しか言葉を返せないためいつものごとく話は弾まない。でも二人は見限ったりせずやさしく接し続けてくれた。



夜中星を見た。


オーロラは出ていなかったがたくさんの星や天の川が見え、高い山と星は相性がいいなぁと思った。





次の日二人は先に出て行き、こちらはギリギリまでネットをチェックする。せっかく使えるのだから活用しなければもったいない。それにこの日は40kmしか進まないのだ。この道のりをゆっくり行こうと思う。



すぐに商店が顔を出す。ここから400kmはちゃんとした食べ物が手に入らない。多少の食料を買いホットドックをひとつ頼む。お金を払って自分で作るようだ。なんだかチープな味がするが、値段もチープなため割には合っている。レシートを見ると値段が少し変な気がする。聞いてみると商品に貼っていた値札シールのほうが間違っていたらしい。9.9¢、つまり9ドル90セント(になるのか、表記がおかしいせいで何とも言えない)とかかれたシールを俺は99¢と勘違いして買ってしまった、ということだ。買わなきゃよかった。アイスが$1.5と安いのに目を付けていたので性懲りもなくひとつ頼むと、店員のおばさんはものすごく不機嫌な顔で面倒くさそうにアイスを渡してくれた。


道をもう少し進むとレストランがあった。しかも2つも。こっちで食べれば良かったと後悔するが、まあ安くすんだということで大目に見よう。



昨日のが体にきているのか、アップヒルが思いのほか多かったせいか、次のキャンプ場までの距離はなかなか縮まらなかった。


クマの足跡らしきものが律儀に道の端っこに沿って続いていた。


やはりここらは熊が多いのだなと感心していると、その足跡はまた馬のものだった。なぜわかったかというと…省略 しかし明らかに馬の糞ではないものもあちこちに散らばっているので、きっと熊もいるのだろう。



キャンプ場についた。
テントを張って係員が来るのを待つ間に本を読みながら料理を作る。ガス缶の中身がもうない。この辺ではsnow peak製のガスは全然見ないので不安になる。ガスが使えないと食べれるものが本当に限られてしまうのだ。サッポロ一番のラーメン(これが日本のものと一番近い)にミニキャロットとウィンナーを千切り入れたもの、それからミートボール入りスパゲッティの缶詰にモッツァレラチーズをそえたものを作った。少し買いすぎたので、荷物を減らす為に2品にしてみた。麺麺しているが、これしかないのでしょうがない。片付けの際スパゲッティの油を落とすのに苦労した。


係員がきたので財布を出したら、テントだけだからいらないと言う。ここは飲むのにすごく良い水がありno boiledでいける(汲んだら木の色なのか若干黄色く土の臭いがしたが飲めそうな味ではあった)し、no bear(しかし蜂は多い)であるとのこと。


ここから次のキャンプ場は120kmあるんだけど大変だね、でも君ならできるわ、気をつけてね。


と励ましの言葉をくれた。一瞬連れて行ってくれるのかと期待したが、大丈夫、がっかりはしていない。その言葉は素直に嬉しかった。


隣の人の犬がこちらに入ってきてしまい、


ついでに私のたき火にあたらないかい?


と誘ってくれたが、適当に断った。この日はゆっくり本が読めた。あっという間に暗くなる。いい時間を過ごせた。

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